【症例012】脚が上がらない
- 丸山稔一

- 6月18日
- 読了時間: 3分
更新日:6月19日

原因がわからない歩行障害
70代の女性が来院されました。
歩行はできるものの、小刻みでゆっくりとした歩き方になっており、ご本人も「脚が上がらない」と悩まれていました。
これまで複数の病院を受診され、
「パーキンソン病ではないか」
「水頭症ではないか」
という可能性も含めて検査を受けたそうですが、結果としてはどちらも否定され、「これ以上できることはない」と説明を受けていたとのことでした。
また、約2年前に右股関節の手術を受けており、ご本人はその頃から歩きにくさが始まったように感じていると話されていました。
施術を続ける中で感じた違和感
数回にわたり身体全体を評価しながら施術を行いました。
歩行や股関節周囲の状態だけでなく、呼吸や胸郭の動き、全身のバランスも確認しながら施術を進めましたが、期待するほどの変化は見られませんでした。
このような時、私はいつも考えます。
「本当に今の見立てで良いのだろうか」
長年臨床を続けていますが、施術者が持つ仮説が常に正しいとは限りません。
むしろ、思ったような変化が出ない時こそ、別の視点が必要になることがあります。
改めて病歴を確認する
そこで、これまでどのような検査を受けてきたのか、改めて詳しくお話を伺いました。
検査内容や医師からの説明を確認した上で、私はご本人にこうお伝えしました。
「できれば別の医療機関でセカンドオピニオンを受けてみてください」
施術を続けることも選択肢ですが、まずは現在の状態をもう一度専門的に確認していただきたいと考えたからです。
後日いただいた連絡
その後、ご本人からお電話をいただきました。
セカンドオピニオンを受けた結果、入院を前提とした詳しい検査や治療の話が進んでいるため、予約をキャンセルしたいとのことでした。
さらに後日、ご家族を通じて、
「水頭症の可能性が高いと説明を受け、手術も検討している」
という状況を知りました。
もちろん最終的な診断や治療方針は医療機関が判断することですが、少なくとも最初の検査結果だけでは見えていなかった可能性が、新たな評価によって浮かび上がってきたことになります。
検査結果は絶対ではない
このような経験は、実は今回が初めてではありません。
医療は常に進歩していますし、同じ症状でも評価する医師や時期によって見解が変わることがあります。
だからこそ、
「検査で異常なしと言われた」
という結果だけで全てが終わるわけではありません。
施術者としても、
「変化が出ない」
「何か違和感がある」
「説明がつかない」
そう感じた時には、改めて医療機関での再評価をお願いすることが大切だと考えています。
この症例から学んだこと
今回の症例を通して、私自身も改めて大切なことを学びました。
施術を続けることだけが患者様のためになるとは限りません。
時には施術を一旦止めてでも、別の専門家の意見を聞いていただくことが必要な場合があります。
患者様の健康と安全を最優先に考えること。
そのためにセカンドオピニオンを提案する勇気を持つこと。
これも施術者として大切な役割の一つだと、改めて感じた症例でした。
同じようなお悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。
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