【症例017】20代女性 股関節痛の原因は股関節だけではありませんでした
- 丸山稔一

- 6月25日
- 読了時間: 3分

「股関節が痛くて、なんとかしてください。」
20代の女性が、左股関節の痛みを訴えて来院されました。
詳しくお話を伺うと、以前から少し気になっていたものの、数日前から急に痛みが強くなったとのことでした。
特に痛むのは、脚を前に持ち上げる動作です。
一方で、脚を後ろへ動かす動作では痛みはありません。
さらに詳しく伺うと、
「腰とお尻の境目あたりが、ピンポイントで痛いんです。」
という特徴的なお話がありました。
股関節だけが原因なのか
まず考えたのは、本当に股関節そのものが原因なのかということでした。
股関節の可動域を確認すると、関節自体の回旋運動には大きな異常はみられません。
骨盤の動きも、大きく崩れている印象はありませんでした。
一方で、全身を評価すると、
左側の腸腰筋周囲の緊張
左腸肋筋の膨隆
左下腿から骨盤へ続く筋膜の緊張
胸郭や横隔膜の硬さ
頸部から頭蓋にかけての緊張
など、いくつか特徴的な所見が確認されました。
さらに問診を進めると、過去に左膝の脱臼を経験されていたことも分かりました。
身体は過去のケガを忘れません。
膝の問題が長い年月をかけて全身のバランスへ影響し、その代償として股関節へ負担が集中していた可能性も考えられました。
施術
施術では、
膝関節周囲のバランス調整
胸郭・肋骨の可動性改善
横隔膜・縦隔周囲の緊張緩和
頭蓋・頸部の機能改善
など、股関節から離れた部位も含め、身体全体を確認しながら施術を行いました。
途中で動きを確認していただくと、
「かなり楽になりました。」
とのことでした。
しかし、膝を胸へ引き寄せる最後の動作だけに違和感が残っています。
そこで改めて股関節を詳しく評価すると、左股関節の位置関係にわずかな左右差がみられました。
さらに深部組織を確認すると、腸骨筋周囲に緊張が残っていることが分かりました。
その部分を丁寧に調整したあと、再度同じ動きを確認していただくと、
患者様は少し驚いた表情で、
「もう痛くありません。」
と話してくださいました。
この症例から学んだこと
今回の症例でも改めて感じたことがあります。
それは、
「痛みがある場所に、必ずしも原因があるとは限らない。」
ということです。
股関節の痛みであっても、
過去の膝のケガ
胸郭や呼吸の状態
頭や首の緊張
こうした一見関係のない部分が影響していることがあります。
身体はそれぞれが独立して働いているのではなく、全身がつながり合いながら機能しています。
だからこそ、一つひとつのサインを丁寧に積み重ね、身体全体を評価することを大切にしています。
同じような症状でお悩みの方のお力になれれば幸いです。
丸山オステオパシー治療院では、痛みのある場所だけではなく、その背景にある身体全体のバランスを大切にしながら施術を行っています。
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