【症例024】朝起きると首が痛い…
- 丸山稔一

- 8月10日
- 読了時間: 3分

原因は首だけではありませんでした|全身を評価するオステオパシーの考え方
40代男性の患者様です。
定期的なメンテナンスで来院されている方ですが、今回は「朝起きた時だけ首が痛い」という症状を相談されました。
「起きてしばらくすると痛みはなくなるんです。」
さらに、右腰にも時々違和感があり、椅子に座る時に痛みを感じるとのことでした。
このような症状では、首だけを診ればよいとは限りません。
オステオパシーでは、身体全体のバランスを評価しながら原因を探していきます。
首の検査だけでは説明できない違和感
首の動きを確認すると、左右とも可動域が低下していましたが、特に左側への側屈と回旋が制限されていました。
一方で、僧帽筋や第一肋骨には大きな問題は見られません。
骨盤にはわずかな動きの低下があり、立位での評価では骨盤だけでは説明できない反応も認められました。
さらに全身を触診すると、
* 左足部
* 胸郭下部
* 頸部周囲
に共通した機能障害が確認できました。
ここで私は、「首だけが原因ではない」と考えました。
身体は一つにつながっている
左足部を詳しく評価すると、舟状骨と楔状骨にわずかな機能障害がありました。
足部には多くの靱帯や固有受容器(身体の位置や動きを感じる感覚受容器)が存在しています。
私は以前、ジャン・ピエール・バレルDOの末梢神経マニピュレーションを学んだ際、足部への刺激が後頭下筋群の反応に影響することを知り、その後も臨床で何度も確認してきました。
今回も、全身の評価から考えると、この足部の機能障害が首の緊張と関係している可能性が高いと判断しました。
身体に負担をかけない施術
まず左足部の機能障害を、ごく小さくソフトな手技で調整しました。
患者様ご自身も「何をされたのかわからない」と感じるほど、優しい施術です。
その直後に首の動きを確認すると、左側の可動域はほぼ回復していました。
残っていた制限に対しては、胸郭下部と肋軟骨の動きを整えながら、筋膜の緊張を丁寧にリリースしました。
再び首を評価すると、左右とも自然な動きが戻っていました。
さらに腰部の筋肉の緊張や骨盤の可動性も改善し、立位姿勢では身体の軸も安定していることが確認できました。
帰り際、患者様は首をゆっくり前後に動かしながら、
「とても楽です。」
と笑顔で話してくださいました。
この症例から学んだこと
この症例は、「首の痛みの原因は足首だった」という単純な話ではありません。
大切なのは、症状のある場所だけに目を向けるのではなく、身体全体を一つのつながりとして評価することです。
身体には筋膜や靱帯、神経、呼吸、姿勢など、多くの要素が複雑に関わっています。
その中から、本当に重要な機能障害を見極め、必要最小限の施術を行うことが、オステオパシーの大切な考え方だと私は考えています。
今回の症例も、改めて「身体は一つである」というオステオパシーの原則を教えてくれた、印象深い臨床経験となりました。
丸山オステオパシー治療院では、
症状だけを見るのではなく、
身体全体のつながりを大切にしながら評価と施術を行っています。
お困りの症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
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