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[症例010]【膝の痛みの奥にあった“身体の緊張”】2回目の施術で見えてきた、身体が整っていく流れ

  • 執筆者の写真: 丸山稔一
    丸山稔一
  • 5月28日
  • 読了時間: 3分

67歳女性の患者様。

左膝の内側の痛みを主訴に、遠方より来院されています。


初回の施術後、「かなり楽だった」とのお話をいただいていましたが、今回は2回目の施術です。


朝一番の予約時間。

患者様は前回よりも表情が明るく、元気な様子で入室されました。


「その後いかがでしたか?」と伺うと、


「膝はほとんど痛くなくなっていました。ただ、ここ2〜3日だけ少し気になりました」


とのこと。


さらに詳しくお聞きすると、痛む場所は初回に確認していた“あの一点”であり、痛みの程度もかなり軽減しているとのことでした。


こうした変化は、身体が少しずつ新しいバランスを覚え始めている時によく見られます。


また今回は、


* 左肘の軽い痛み

* 不安が強い時の胸の違和感


についてもお話しくださいました。



身体は「部分」ではなく、全体でつながっている


視診では、初回に見られた僧帽筋の強い緊張がかなり改善していました。


また、円背気味だった背中も自然に起き上がり、身体全体の軸が整い始めている印象です。


ただし、立位の軸線はまだやや踵寄り。


そこで改めて全身を丁寧に触診していきます。


下肢全体の筋膜の緊張は、まだわずかに左優位。

膝をやさしく圧縮すると、左膝に軽い抵抗感があります。


さらに両下肢を持ち上げ、身体全体のテンションを確認すると、今回は胸郭周囲にわずかな支点を感じました。


興味深かったのは、前回大きく関与していた左腎周囲の緊張が、今回はほとんど消えていたことです。


身体は、必要な問題から順番に変化していきます。



「探しすぎない」施術


頭蓋や頸部を確認すると、前回あった後頭下筋群の強い緊張は消失していました。

しかし、頭部を軽く牽引すると、まだ左側への抵抗感が残っています。


検査を進めると、左側頭骨と前頭骨にごく軽度の機能的な制限が見られました。


また、腰椎L2周囲にもわずかな緊張が残っています。


施術では、


* 静脈洞への穏やかなアプローチ

* 側頭骨の調整

* L2周囲への機能的アプローチ

* 左閉鎖口周囲のリリース

* 胸郭の自然な動きを待つ施術


などを中心に行いました。


さらに、


* 太陽神経叢

* 仙骨

* 胸郭出口


といった、自律神経との関係が深い部分も整えていきます。


オステオパシーでは、「強く矯正する」ことよりも、身体が自ら緩む方向を邪魔しないことを大切にしています。


最近、私自身も改めて感じているのですが、


“探しすぎない”

“力で変えようとしない”


そうした姿勢の方が、結果として身体は自然に変化していくことがあります。



施術後の変化


施術後に再度立位を確認すると、踵寄りだった身体の軸線が、足のアーチ中央へと自然に戻っていました。


患者様も穏やかな表情で、


「この施術、好きです」


と笑顔で次回予約を入れて帰られました。


こうした瞬間は、施術者としてとても嬉しく感じます。



今回の学び


症状だけを見ると、「膝の痛み」という局所的なお悩みです。


しかし実際には、


* 呼吸

* 胸郭

* 自律神経

* 頭蓋

* 腰椎

* 内臓の緊張


など、身体全体のつながりが関係していることがあります。


だからこそ、局所だけを追いかけず、身体全体を丁寧に観察することが大切だと改めて感じました。


身体は、無理に変えようとするよりも、安心できる環境の中で、自ら整おうとする力を持っているのかもしれません。

 
 
 

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