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【症例016】10年間続く胸の激痛
― 治療家として学んだ“限界と役割” 先日、10年以上にわたり強い痛みに苦しんでいる女性が来院されました。 来院時、患者様は右胸の下を押さえながら、眉間に深いしわを寄せて入室されました。付き添いのご主人もご一緒です。 初回の問診では、これまで受診された病院、鍼灸院、整体院、漢方薬局、心療内科などの経過を詳細にまとめた資料を持参してくださいました。 「何とか原因を知りたい」 「なぜ痛み続けるのか知りたい」 そんな切実な思いが伝わってきました。 症状の特徴 患者様のお話では、痛みの中心は右胸郭の下部です。 その痛みは単なる局所の痛みではなく、 * 首から胸にかけての引きつれ * 呼吸時の違和感 * 顎周囲の緊張 * 全身の不快感 など、多くの症状を伴っていました。 各種検査では大きな異常は見つかっておらず、長年にわたり原因がはっきりしない状態が続いていました。 初回の評価 オステオパシーでは痛い場所だけを見ることはしません。 全身のつながりを評価しながら、身体全体のバランスを確認していきます。 検査の結果、 * 呼吸運動の左右差 * 頭蓋の微細な動き

丸山稔一
6月22日読了時間: 3分


【症例012】脚が上がらない
原因がわからない歩行障害 70代の女性が来院されました。 歩行はできるものの、小刻みでゆっくりとした歩き方になっており、ご本人も「脚が上がらない」と悩まれていました。 これまで複数の病院を受診され、 「パーキンソン病ではないか」 「水頭症ではないか」 という可能性も含めて検査を受けたそうですが、結果としてはどちらも否定され、「これ以上できることはない」と説明を受けていたとのことでした。 また、約2年前に右股関節の手術を受けており、ご本人はその頃から歩きにくさが始まったように感じていると話されていました。 施術を続ける中で感じた違和感 数回にわたり身体全体を評価しながら施術を行いました。 歩行や股関節周囲の状態だけでなく、呼吸や胸郭の動き、全身のバランスも確認しながら施術を進めましたが、期待するほどの変化は見られませんでした。 このような時、私はいつも考えます。 「本当に今の見立てで良いのだろうか」 長年臨床を続けていますが、施術者が持つ仮説が常に正しいとは限りません。 むしろ、思ったような変化が出ない時こそ、別の視点が必要になることがあります。

丸山稔一
6月18日読了時間: 3分


【症例002】口の中の違和感
原因不明と言われた口の違和感と、不安感の変化について 長い間、口の中の違和感に悩まれていた患者様が来院されました。 病院でも検査を受けられていましたが、「特に異常は見当たりません」と言われ、不安な日々を過ごされていたそうです。 最初の頃は、 「このままずっと治らないのではないか」 という強い不安感も感じられていました。 しかし治療を重ねる中で、少しずつ身体の反応が変わっていきました。 今回で7回目の施術となります。 来院時、患者様は大きなマスク姿で元気に入室されました。 花粉症もあるようでしたが、以前のような疲れた表情はなく、目の輝きも落ち着いていました。 「かなり調子が良いです」 「仕事をしていても、以前のような疲労感がなくなりました」 そう話してくださいました。 口の中の違和感についても、 「100%ではないけれど、かなり楽になっています」 とのことでした。 ⸻ 施術前には、毎回必ず全身の状態を確認します。 視診では大きな乱れはありませんでしたが、触診を進めると、左上腹部から横隔膜周囲にわずかな緊張が残っていました。 また、 ・右側の横隔膜

丸山稔一
5月28日読了時間: 3分


【症例001】両手の指が握れない
神経症状と向き合った6回のオステオパシー治療 ある日、「両手の指が握れなくなってきた」という患者様が来院されました。 事前のメール相談では、 「手が握れない」という運動機能に関わる症状だったため、まず病院、とくに脳神経系の検査を受けるようお願いしました。 大学病院の総合診療科で血液検査などを受けたものの、明確な原因は分からず、 「病院では治療のしようがないと言われた」とのことで来院されました。 フランスで学んだ際、 「運動神経に関わる問題は、まず医療機関の責任範囲である」 と繰り返し教えられました。 そのため今回も、まず医療機関での評価を優先していただきました。 その上で、患者様が困っておられ、他に行き場がないという状況の中で、 身体全体を丁寧に診させていただくことにしました。 ⸻ 初回の印象は、身体だけでなく表情にも強い緊張感がある状態でした。 検査を進めていくと、 ・頚椎右側の連続した硬さ ・右胸郭前面の制限 ・右鎖骨周囲の可動性低下 ・頭蓋の緊張 ・腹部、内臓の硬さ などが見られました。 特に印象的だったのは、 頭蓋から頚部にかけての硬膜系

丸山稔一
5月28日読了時間: 3分
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