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【症例028】20年続いた首こりと背中の痛み
―症状を追わず、まず身体の「解放」を考える― 20年以上続いていた首こりと背中の痛み 女性が、長年続いている首のこりと背中の痛みを訴えて来院されました。 パソコンを使う時間が長く、特に仕事をしていると首や背中のつらさを感じるとのことでした。 症状は20年以上前からあり、ここ数年でさらに気になるようになっていました。 また、左の骨盤周辺にはピンポイントの痛みがあり、正座をすると左膝の後ろにも痛みを感じるというお話でした。 お話を伺っていると、身体の症状だけではなく、どこか元気がないようにも感じました。 私はこの時、首のこりだけを施術して終わる症例ではないのではないか、と考えました。 まず必要なのは、身体全体に長年積み重なっている緊張を少しずつ解放していくこと。 初回の施術では、そこを第一のテーマにしました。 首がつらいのに、首の筋肉はそれほど硬くない 座位で身体を確認すると、首や肩の筋肉は、患者様が訴えているほど強く緊張しているわけではありませんでした。 一方、腰部では左側の腸肋筋に明らかな緊張があり、筋腹が膨らんでいるように触知されました。...

丸山稔一
4 日前読了時間: 7分


【症例027】交通事故後の腰痛と「気力が出ない」状態
今回は、交通事故後から身体の不調や気力の低下が続いていた方の症例をご紹介します。 ※プライバシー保護のため、年齢・事故状況・生活背景など、症例の本質に影響しない一部の情報を変更・簡略化しています。 交通事故をきっかけに続いていた不調 成人の女性が来院されました。 きっかけは、数か月前に遭われた交通事故です。 車に同乗中、大きな衝撃を受け、顔や手などに外傷を負い、歯にも損傷が生じるほどの事故だったそうです。 事故直後には手足のしびれもありましたが、それらは時間の経過とともに軽減していました。 一方で、その後もいくつかの症状が残っていました。 左肩の痛み、慢性的な腰痛、ときどき起こる強い後頭部の痛み。 そして、ご本人が特に改善したいと話されていたのが、 「やる気が起きない」 「気力が出ない」 という状態でした。 初めてお会いしたとき、本来は活動的な方なのではないかという印象を受けました。 しかし、その日の表情や身体の様子からは、どこか活力が失われているように感じられました。 もちろん、これは医学的な検査結果ではありません。 長年患者さんの身体を診てき

丸山稔一
9月10日読了時間: 8分


【症例026】「肛門から腸が出てくる」
オステオパシーに求められる鑑別と責任 はじめに 40代の女性。約1か月半ごとに定期的に来院されている患者様です。 今回は、いつもと少し様子が違いました。 「調子はいかがですか?」 そうお尋ねすると、 「少し前から、肛門から中のものが飛び出している感じがします。ずっと嫌な感じがしていて......。しばらくすると、本当に中から外へ出てきました」 とのことでした。 私はまず、直腸脱などの病気の可能性を考えました。 「肛門科には行かれましたか?」 と尋ねると、まだ受診されていないとのこと。 このような症状は、オステオパシーの施術だけで判断するものではなく、まず医療機関で状態を確認していただく必要があります。 そのことをお伝えしたうえで、 「今日はここまで来ていただいているので、私のできる範囲で身体全体を評価してみましょう。途中で少しでも調子が悪くなったら、すぐに教えてください」 とお伝えし、施術を始めました。 症状の場所だけを追わず、全身を評価する まず座位で身体を確認しました。 右肋骨の後方から右腸肋筋にかけて緊張があり、右骨盤の動きにもわずかな制限

丸山稔一
8月20日読了時間: 6分


【症例025】寒さで現れる皮膚のかゆみ
|自律神経やホルモンバランスを含めたオステオパシーの全身評価 「オステオパシーとは関係ないと思っていました」 アメリカ・サンフランシスコ在住の40代女性が、年に数回の一時帰国の際に当院へ来院されています。 初めて来院された時は五十肩の症状が主訴でしたが、数回の施術で日常生活に支障のない状態となり、その後は身体のコンディションを整える目的で定期的に施術を受けられています。 今回も笑顔で来院され、 「体調はとても良いです。」 と話してくださいました。 いつものように胃腸の状態や睡眠、頭痛、胸部の違和感などを確認しながら問診を進めていくと、患者様が少し遠慮がちに話し始めました。 「オステオパシーでは対処できないと思っていたので、お話ししていませんでした。」 そう前置きされた症状は、寒くなると手を中心に全身へ現れる湿疹様の皮膚症状でした。 サンフランシスコは一年を通して比較的涼しく、冷たい風に当たるだけで症状が現れることもあり、数年悩まれていたそうです。ご本人は更年期障害ではないかと思っていると、又去年から急に出始めたと言われていました。 症状だけではな

丸山稔一
8月13日読了時間: 4分


【症例024】朝起きると首が痛い…
原因は首だけではありませんでした|全身を評価するオステオパシーの考え方 40代男性の患者様です。 定期的なメンテナンスで来院されている方ですが、今回は「朝起きた時だけ首が痛い」という症状を相談されました。 「起きてしばらくすると痛みはなくなるんです。」 さらに、右腰にも時々違和感があり、椅子に座る時に痛みを感じるとのことでした。 このような症状では、首だけを診ればよいとは限りません。 オステオパシーでは、身体全体のバランスを評価しながら原因を探していきます。 首の検査だけでは説明できない違和感 首の動きを確認すると、左右とも可動域が低下していましたが、特に左側への側屈と回旋が制限されていました。 一方で、僧帽筋や第一肋骨には大きな問題は見られません。 骨盤にはわずかな動きの低下があり、立位での評価では骨盤だけでは説明できない反応も認められました。 さらに全身を触診すると、 * 左足部 * 胸郭下部 * 頸部周囲 に共通した機能障害が確認できました。 ここで私は、「首だけが原因ではない」と考えました。 身体は一つにつながっている...

丸山稔一
8月10日読了時間: 3分


【症例023】咳喘息・首の痛み・目の乾燥
胸郭から全身を診るオステオパシーの評価と施術 「症状が違っても、身体の中ではつながっていることがあります」 50代の女性患者様です。 この患者様は長年当院に通われており、現在は2か月に一度の定期メンテナンスを続けています。 初めて来院された頃は、胃の不調や逆流性食道炎、強い咽頭部の違和感に悩まれていました。 さまざまな医療機関を受診しても改善がみられず、当院へたどり着かれたそうです。 5〜6回の施術で症状は落ち着き、改善を実感された際に涙を流して喜ばれた姿が、今でも印象に残っています。 今回は久しぶりの来院でした。 訴えられた症状は、 * 咳喘息 * 目の乾燥 * 首を動かした時の痛み でした。 「目は眼科へ、咳喘息は呼吸器の専門医へ、首は整体へ行こうと思っています。」 そうお話しくださいました。 私は、 「医師の診断を受けることはとても大切です。」 とお伝えしたうえで、 「首を強く捻るような施術は、十分な評価なしにはお勧めできません。」 と私の考えをお話ししました。 そして、 「今日は改めて全身を評価し、私にできることを丁寧に行っていきましょう

丸山稔一
7月24日読了時間: 5分


【症例022】20年以上続く太ももの違和感と側弯症|「少し良くなった」が教えてくれたこと
「少し良くなった。」その言葉が教えてくれたこと 前回、20年以上続く太ももの違和感や側弯による姿勢の崩れ、歩行時の不安定感を抱えた60代女性が、2回目の施術に来院されました。 入室された時の印象は、前回より歩行は安定しているものの、まだ表情には十分な活力が戻っていないように感じました。 まずは施術の前に、前回の変化を丁寧に確認することから始めました。 「その後、お身体の調子はいかがですか?」 患者様は、 「太ももの感じは少し良くなりました。ただ、まだ違和感があります。腰の張りも気になります。」 とお話しくださいました。 さらに、 「身体のバランスは少し良くなったように思います。」 というお言葉もいただきました。 慢性的な症状では、「少し良くなった」という変化は決して小さなものではありません。身体が新しい状態を受け入れ始めている可能性があるからです。 改めて全身を評価する 2回目の施術では、前回の変化が維持されているかを確認し、新たな問題があれば治療方針を修正することを目的に評価を行いました。 背中を触診すると、前回強く緊張していた左腰部の筋肉の膨

丸山稔一
7月24日読了時間: 4分


【症例021】小学2年生の右膝の痛み
小学2年生の女の子が右膝の痛みで来院。
膝だけを見るのではなく、足首・腓骨・下肢全体の動きから身体のつながりを評価しました。
小さな身体だからこそ、やさしく丁寧に。
臨床では「原因を探す」より「身体の声を聴く」ことを大切にしています。

丸山稔一
7月14日読了時間: 4分


【症例020】原因不明の長引く空咳
胸郭と自律神経に着目したオステオパシー症例 長期間続く空咳でお悩みの患者様 長期間、空咳が続いている患者様が来院されました これまで何度も医療機関を受診され、さまざまな検査を受けてこられましたが、特に異常は認められず、原因がはっきりしない状態が続いていました。 このような症状では、まず医療機関で適切な診断を受けることが何より大切です。 そのうえで、今回は身体の機能的な側面から評価を行いました。 身体全体のつながりを評価する 触診を進めると、左肋骨角に複数の可動性低下が認められました。 さらに、左頸椎には連続した動きの制限があり、胸郭と頸部が互いに影響し合っている状態がうかがえました。 咳は呼吸器だけの問題として捉えられがちですが、呼吸運動や自律神経、筋膜の連続性も含めて身体全体を評価することが重要だと私は考えています。 最初に行った施術 まず左肋骨角を中心に胸郭の可動性を改善する施術を行いました。 その後、頸椎を再評価すると、それまで認められていた可動性の低下は改善していました。 施術中も患者様は空咳を繰り返していましたが、頸部の可動性が回復した

丸山稔一
7月8日読了時間: 3分


【症例019】ふくらはぎが痛いんです
しゃがむと痛む左ふくらはぎ ― 痛む場所だけを見ないオステオパシーの視点 ― 定期的なメンテナンスで来院されている40代女性の患者様です。 これまで頭痛や首の痛みなど、その都度さまざまな症状に対して施術を行ってきました。 以前、 「なぜ治療すると身体が変わるのですか?」 というご質問をいただいたことがあります。 その際、骨模型を使いながら身体の構造やオステオパシーの考え方を簡単にご説明したところ、大変興味を持ってくださり、現在では定期的な身体のメンテナンスを目的に通院されています。 今回のご相談は、左ふくらはぎの痛みでした。 「膝を深く曲げて、お尻が床につくくらいしゃがむと、左ふくらはぎが痛みます」 さらに、 「それだけではなく、左脚全体に何とも言えない嫌な感じがあります」 とのことでした。 日常生活では大きな問題はないものの、深くしゃがみ込む動作によって症状が再現される状態でした。 以前に受けた施術について お話を伺う中で、興味深い経緯がありました。 来院前に、私の出身校で行われていたインターン生の臨床実習に、患者役として参加されたそうです。.

丸山稔一
7月3日読了時間: 4分


【症例018】頻繁な脚の攣り動悸感の背景にあったもの
「最近、脚が頻繁に攣って困っています。」 そんなお電話をいただいたのが、この患者様との最初の出会いでした。 お話を伺うと、脚の攣りだけではなく、 それ以前から動悸や不整脈のような感覚もあるとのことでした。 循環器内科をはじめ必要な検査は受けており、 大きな異常は見つかっていません。それでも症状は続いている。 だからこそ、身体全体のつながりという視点から 改めて丁寧に評価を行うことにしました。 初期の評価では、自律神経や呼吸、胸郭や横隔膜、頭蓋といった 中枢寄りの調整を優先しました。 その結果、動悸感は徐々に落ち着いていきました。 一方で、脚の攣りは思うような改善を示しませんでした。 ここで治療の切り口を変える必要性を感じました。 再評価を進める中で見えてきたのは、 腰部から下肢へ続く神経や筋膜の緊張でした。 特に腰椎周囲の硬さや前屈時の可動域の低下、 左側へ偏る身体の使い方が印象的でした。 そこで中枢だけではなく、 末梢神経や下肢の連動にも着目して施術を進めていきました。 治療を重ねる中で、 ・動悸感はほとんど感じなくなった ・脚の攣りは大きく減

丸山稔一
6月30日読了時間: 3分


【症例017】20代女性 股関節痛の原因は股関節だけではありませんでした
「股関節が痛くて、なんとかしてください。」 20代の女性が、左股関節の痛みを訴えて来院されました。 詳しくお話を伺うと、以前から少し気になっていたものの、数日前から急に痛みが強くなったとのことでした。 特に痛むのは、脚を前に持ち上げる動作です。 一方で、脚を後ろへ動かす動作では痛みはありません。 さらに詳しく伺うと、 「腰とお尻の境目あたりが、ピンポイントで痛いんです。」 という特徴的なお話がありました。 股関節だけが原因なのか まず考えたのは、本当に股関節そのものが原因なのかということでした。 股関節の可動域を確認すると、関節自体の回旋運動には大きな異常はみられません。 骨盤の動きも、大きく崩れている印象はありませんでした。 一方で、全身を評価すると、 左側の腸腰筋周囲の緊張 左腸肋筋の膨隆 左下腿から骨盤へ続く筋膜の緊張 胸郭や横隔膜の硬さ 頸部から頭蓋にかけての緊張 など、いくつか特徴的な所見が確認されました。 さらに問診を進めると、過去に左膝の脱臼を経験されていたことも分かりました。 身体は過去のケガを忘れません。 膝の問題が長い年月をか

丸山稔一
6月25日読了時間: 3分


【症例016】10年間続く胸の激痛
― 治療家として学んだ“限界と役割” 先日、10年以上にわたり強い痛みに苦しんでいる女性が来院されました。 来院時、患者様は右胸の下を押さえながら、眉間に深いしわを寄せて入室されました。付き添いのご主人もご一緒です。 初回の問診では、これまで受診された病院、鍼灸院、整体院、漢方薬局、心療内科などの経過を詳細にまとめた資料を持参してくださいました。 「何とか原因を知りたい」 「なぜ痛み続けるのか知りたい」 そんな切実な思いが伝わってきました。 症状の特徴 患者様のお話では、痛みの中心は右胸郭の下部です。 その痛みは単なる局所の痛みではなく、 * 首から胸にかけての引きつれ * 呼吸時の違和感 * 顎周囲の緊張 * 全身の不快感 など、多くの症状を伴っていました。 各種検査では大きな異常は見つかっておらず、長年にわたり原因がはっきりしない状態が続いていました。 初回の評価 オステオパシーでは痛い場所だけを見ることはしません。 全身のつながりを評価しながら、身体全体のバランスを確認していきます。 検査の結果、 * 呼吸運動の左右差 * 頭蓋の微細な動き

丸山稔一
6月22日読了時間: 3分


【症例015】顔面神経麻痺とめまい
― 医療とオステオパシー、それぞれの役割を学んだ症例 ― 来院時の状態 ある日曜日、知人の方から急なご相談をいただきました。 症状は、 ・顔面神経麻痺・歩行時のふらつき・バランスが取りにくい・左耳周囲や首の違和感 でした。 すでに内科・耳鼻科を受診され、MRI検査も実施済みで、脳梗塞など緊急性の高い疾患は否定されていました。 来院時には左眼が十分に開かず、口元にも左右差がみられました。また歩行時の不安定さもあり、ご本人も大きな不安を抱えている様子でした。 初回の評価 まず全身の状態を丁寧に評価しました。 下肢の筋膜の緊張、呼吸の左右差、腹部の緊張、頭蓋や頸部の動きなどを確認したところ、 ・左下肢の緊張・上腹部の強い緊張・後頭部から頸椎周囲の制限・側頭骨周囲の緊張 などが認められました。 そこで、 ・後頭部と頸椎周囲の緊張緩和・頭蓋周囲の循環への配慮・横隔膜や自律神経系へのアプローチ・全身の緊張を和らげる施術 を中心に行いました。 施術後には、 ・左眼の開きの変化・歩行の安定感の向上・呼吸のしやすさ・表情や顔色の変化 などがみられました。 その後の

丸山稔一
6月19日読了時間: 3分


【症例014】お尻が痛い
― 骨盤ではなく腹部の緊張が関係していた症例 ― 立ったり座ったりするとき、お尻の奥が痛かったり、違和感を感じたりすることはありませんか? 今回ご紹介するのは、右のお尻の奥の痛みと違和感を主訴に来院された50代女性の症例です。 患者様は現在、肉体労働を伴うパートのお仕事をされており、日常的に身体を酷使されていました。 まずは全体を観察する オステオパシーでは、痛みのある場所だけを見るのではなく、まず身体全体を観察します。 立った姿勢を確認すると、お腹が前方へ突出していました。 さらに骨盤は全体的に後方へ回旋し、横から見ると膝関節もわずかに曲がっています。 骨盤の動きを評価すると、右側に問題があることが分かりました。 経験が浅い頃は、患者様が「お尻が痛い」と言えば、その周辺の筋肉や関節にばかり目が向いてしまうことがありました。 しかし、その場所だけをマッサージしたり押したりしても、本当の原因にたどり着けないことがあります。 大切なのは、 ・身体全体を観察すること・どこに身体が引かれているのかを感じ取ること・全身を丁寧に評価すること です。...

丸山稔一
6月19日読了時間: 3分


【症例013】シンスプリントの本当の原因
― スネの痛みの背景にあった呼吸と身体のバランス― 高校生のサッカー選手が来院されました。 「スネが痛くてサッカーができません」 というのが主訴でした。 彼は本気でサッカーに取り組んでおり、ほぼ毎日学校で練習をしています。将来はプロを目指しているとのことでした。 同伴されたお母様も息子さんの才能を信じており、親子で目標に向かって努力されている様子が伝わってきました。 サッカーは非常に激しいスポーツです。 一試合で10km近く走り、急激なストップとダッシュを繰り返します。さらにボールを蹴る際には足へ大きな負担がかかります。 今回の患者様は、数か月前からスネの痛みが続き、思うように練習ができなくなっていました。 整形外科ではシンスプリントと診断され、 「しばらく練習を控えるように」 と説明を受けたそうですが、積極的な治療は行われていませんでした。 問診を続けると、スネが痛くなる前に腰痛があり、その時も一時的に練習ができなくなっていたことが分かりました。 さらに病歴を確認すると、 ・小児喘息で通院歴がある・現在でも時々呼吸が苦しくなることがある とのこ

丸山稔一
6月19日読了時間: 4分


【症例012】脚が上がらない
原因がわからない歩行障害 70代の女性が来院されました。 歩行はできるものの、小刻みでゆっくりとした歩き方になっており、ご本人も「脚が上がらない」と悩まれていました。 これまで複数の病院を受診され、 「パーキンソン病ではないか」 「水頭症ではないか」 という可能性も含めて検査を受けたそうですが、結果としてはどちらも否定され、「これ以上できることはない」と説明を受けていたとのことでした。 また、約2年前に右股関節の手術を受けており、ご本人はその頃から歩きにくさが始まったように感じていると話されていました。 施術を続ける中で感じた違和感 数回にわたり身体全体を評価しながら施術を行いました。 歩行や股関節周囲の状態だけでなく、呼吸や胸郭の動き、全身のバランスも確認しながら施術を進めましたが、期待するほどの変化は見られませんでした。 このような時、私はいつも考えます。 「本当に今の見立てで良いのだろうか」 長年臨床を続けていますが、施術者が持つ仮説が常に正しいとは限りません。 むしろ、思ったような変化が出ない時こそ、別の視点が必要になることがあります。

丸山稔一
6月18日読了時間: 3分


【症例011】三叉神経痛のその後
久しぶりの再会 以前、三叉神経痛で来院されていた患者様が久しぶりに来院されました。 きっかけは奥様からの勧めでした。 奥様は以前、止まらない咳と尿漏れのお悩みで来院された際、 「主人はその後、痛み止めを全く飲まなくなりました。本当に喜んでいます。」 と報告してくださいました。 私自身、この患者様の症例は非常に印象深く、多くの学びを与えていただいたケースでした。 そのため、 「お時間が取れたら一度お顔を見せてください」 とお伝えしていました。 今回、その約束を果たすように元気な姿を見せてくださいました。 現在の状態について お話を伺うと、 「前回の治療後から徐々に改善し、以前の生活に戻ることができました」 とのことでした。 また、痛み止めも飲まなくなり、日常生活に大きな支障なく過ごされているそうです。 ただ、最近の台風の時に左眼の奥が一瞬ピリッとした感覚があったとのこと。 強い痛みではなく、短時間で消失したそうですが、ご本人としては少し気になったようです。 三叉神経痛を経験された方にとっては、わずかな違和感でも不安につながることがあります。...

丸山稔一
6月10日読了時間: 3分


【症例010】膝の痛みの奥にあった身体の緊張
2回目の施術で見えてきた、身体が整っていく流れ 67歳女性の患者様。 左膝の内側の痛みを主訴に、遠方より来院されています。 初回の施術後、「かなり楽だった」とのお話をいただいていましたが、今回は2回目の施術です。 朝一番の予約時間。 患者様は前回よりも表情が明るく、元気な様子で入室されました。 「その後いかがでしたか?」と伺うと、 「膝はほとんど痛くなくなっていました。ただ、ここ2〜3日だけ少し気になりました」 とのこと。 さらに詳しくお聞きすると、痛む場所は初回に確認していた“あの一点”であり、痛みの程度もかなり軽減しているとのことでした。 こうした変化は、身体が少しずつ新しいバランスを覚え始めている時によく見られます。 また今回は、 * 左肘の軽い痛み * 不安が強い時の胸の違和感 についてもお話しくださいました。 ⸻ 身体は「部分」ではなく、全体でつながっている 視診では、初回に見られた僧帽筋の強い緊張がかなり改善していました。 また、円背気味だった背中も自然に起き上がり、身体全体の軸が整い始めている印象です。 ただし、立位の軸線はまだやや

丸山稔一
5月28日読了時間: 3分


【症例009】緑内障と側弯症
“目だけを見ない”というオステオパシーの視点 本日、緑内障でお悩みの患者様からお問い合わせをいただきました。 50代女性の方で、病院で継続的に治療を受けているものの、不安が続いているとのことでした。 お話を伺う中で、とても印象的だったのが、 「11歳の頃から突発性側弯症がある」という背景でした。 緑内障というと、“目の病気”という印象が強いかもしれません。 もちろん眼科での治療は非常に重要ですし、点眼や定期検査は欠かせません。 その上で、オステオパシーでは 「なぜ視神経に負担がかかりやすい状態になっているのか」 という身体全体のつながりを考えていきます。 特に今回のように、長年の側弯症がある場合は、 * 胸郭のねじれ * 横隔膜の左右差 * 頸部や頭蓋への緊張 * 静脈やリンパの循環 などが、長い年月をかけて身体に影響している可能性があります。 緑内障に対して、オステオパシーで「治る」と断定することはできません。 しかし、 * 呼吸のしやすさ * 頭頸部の循環 * 自律神経の緊張 * 視神経周囲への負担 こうした部分を丁寧に整えることで、...

丸山稔一
5月28日読了時間: 2分
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