【症例022】20年以上続く太ももの違和感と側弯症|「少し良くなった」が教えてくれたこと
- 丸山稔一

- 17 時間前
- 読了時間: 4分

「少し良くなった。」その言葉が教えてくれたこと
前回、20年以上続く太ももの違和感や側弯による姿勢の崩れ、歩行時の不安定感を抱えた60代女性が、2回目の施術に来院されました。
入室された時の印象は、前回より歩行は安定しているものの、まだ表情には十分な活力が戻っていないように感じました。
まずは施術の前に、前回の変化を丁寧に確認することから始めました。
「その後、お身体の調子はいかがですか?」
患者様は、
「太ももの感じは少し良くなりました。ただ、まだ違和感があります。腰の張りも気になります。」
とお話しくださいました。
さらに、
「身体のバランスは少し良くなったように思います。」
というお言葉もいただきました。
慢性的な症状では、「少し良くなった」という変化は決して小さなものではありません。身体が新しい状態を受け入れ始めている可能性があるからです。
改めて全身を評価する
2回目の施術では、前回の変化が維持されているかを確認し、新たな問題があれば治療方針を修正することを目的に評価を行いました。
背中を触診すると、前回強く緊張していた左腰部の筋肉の膨隆は明らかに改善していました。
骨盤の動きも左右ともに滑らかになり、立位で確認した姿勢では骨盤の左右差や身体全体のバランスも前回より整っていました。
また、歩行も安定し、頭が前へ突き出る姿勢や背中の丸みも改善した状態が維持されていました。
一方で、大腿部は筋力低下が目立ち、触れると力強さに乏しい状態でした。
筋力が低下すると歩きにくくなり、活動量が減ることでさらに筋力が落ちるという悪循環が起こります。
そのような背景も考慮しながら、全身の状態を改めて確認しました。
治療方針は変えず、「定着」を目指す
今回の評価から、初回に立てた治療方針は大きく外れていないと判断しました。
そのため施術内容は大きく変更せず、
* 胸郭や横隔膜
* 頭蓋
* 仙骨
* 自律神経との関わりが深い太陽神経叢周囲
などを中心に、身体全体のバランスを整える施術を行いました。
長期間続いた身体の適応は、一度の施術で大きく変わるものではありません。
初回で得られた変化を定着させ、身体が無理なく新しい状態を受け入れられるよう意識して施術を進めました。
施術後は、姿勢の改善がさらに安定し、歩行にも落ち着きが見られました。
当院では必要に応じて施術前後の姿勢写真を患者様と一緒に確認しています。
写真だけで全てを評価できるわけではありませんが、ご自身では気づきにくい変化を共有する一つの手段として活用しています。
患者様も写真をご覧になり、
「確かに変わっていますね。」
と穏やかに話してくださいました。
この症例から学んだこと
患者様は3回目のご予約をされましたが、その後キャンセルのご連絡をいただきました。
長く臨床を続けていても、このようなことは決して珍しくありません。
施術の効果だけで継続が決まるわけではなく、通院距離や生活環境、患者様ご自身の考え方など、さまざまな要因が関わります。
今回の症例を振り返り、私自身が最も反省したのは、以前の甲状腺機能低下症の既往を含め、全身に漂う活力の低下について、もう一歩踏み込んで評価し、必要に応じて内科的な確認もお勧めできたのではないかという点です。
局所の痛みだけでなく、身体全体の状態を読み取ること。
そして、自分の専門領域を大切にしながらも、必要に応じて他の医療機関との連携を考えること。
この症例は、その大切さを改めて教えてくれました。
臨床では、一人ひとりの患者様が多くの学びを与えてくださいます。
これからも謙虚な姿勢を忘れず、一つひとつの症例を丁寧に積み重ねながら、より良い施術を目指して学び続けていきたいと思います。
これからも一人ひとりの身体と丁寧に向き合いながら、日々学び続けていきたいと思います。
丸山オステオパシー治療院では、
症状だけを見るのではなく、
身体全体のつながりを大切にしながら評価と施術を行っています。
お困りの症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
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