【症例014】お尻が痛い
- 丸山稔一

- 13 時間前
- 読了時間: 3分

― 骨盤ではなく腹部の緊張が関係していた症例 ―
立ったり座ったりするとき、お尻の奥が痛かったり、違和感を感じたりすることはありませんか?
今回ご紹介するのは、右のお尻の奥の痛みと違和感を主訴に来院された50代女性の症例です。
患者様は現在、肉体労働を伴うパートのお仕事をされており、日常的に身体を酷使されていました。
まずは全体を観察する
オステオパシーでは、痛みのある場所だけを見るのではなく、まず身体全体を観察します。
立った姿勢を確認すると、お腹が前方へ突出していました。
さらに骨盤は全体的に後方へ回旋し、横から見ると膝関節もわずかに曲がっています。
骨盤の動きを評価すると、右側に問題があることが分かりました。
経験が浅い頃は、患者様が「お尻が痛い」と言えば、その周辺の筋肉や関節にばかり目が向いてしまうことがありました。
しかし、その場所だけをマッサージしたり押したりしても、本当の原因にたどり着けないことがあります。
大切なのは、
・身体全体を観察すること・どこに身体が引かれているのかを感じ取ること・全身を丁寧に評価すること
です。
そして症状と本来の原因が、どのようにつながっているのかを考えていきます。
腹部と骨盤内に見えてきた問題
今回の症例では、お腹の突出が骨盤に何らかの影響を与えていることが分かりました。
さらに詳しく触診を行うと、
・肝臓周囲の緊張・小腸の下垂傾向・骨盤内で内臓を支える組織の緊張
などが見られました。
興味深かったのは、痛みを訴えているお尻そのものには大きな問題を感じなかったことです。
股関節の可動検査を行っても、単独の関節だけの問題とは思えませんでした。
身体全体を評価していくと、腹部や骨盤内の緊張が骨盤や股関節の動きに影響を与えていることが見えてきました。
施術
施術では、
① 胸郭の動きを改善する施術
② 肝臓周囲の循環を促す施術
③ 小腸の下垂に対する施術
④ 骨盤内の組織の緊張を解放する施術
を行いました。
施術として行ったのはこれだけです。
その後、再び股関節の可動検査を行うと、違和感は全く感じられませんでした。
骨盤の可動性も改善し、問題は見られません。
さらに立位で確認すると、
・お腹の突出・骨盤の位置・膝の曲がり
にも変化が見られました。
身体全体のバランスが整ったことで、姿勢そのものが変化していたのです。
3週間後の変化
3週間後に再来院された際、
「お尻の違和感は、あれから全く感じなくなりました」
とお話しくださいました。
今回の症例では、お尻の筋肉そのものではなく、腹部や骨盤内の緊張が身体全体のバランスに影響していました。
この症例から学んだこと
症状が出ている場所と、本来の原因が一致するとは限りません。
お尻が痛いからといって、お尻だけを見ていては本当の原因が見えないことがあります。
オステオパシーでは、身体全体のつながりを丁寧に評価しながら施術を行います。
今回も患者様の身体から、多くのことを学ばせていただいた症例でした。
同じようなお悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。
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