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【症例020】原因不明の長引く空咳
胸郭と自律神経に着目したオステオパシー症例 長期間続く空咳でお悩みの患者様 長期間、空咳が続いている患者様が来院されました これまで何度も医療機関を受診され、さまざまな検査を受けてこられましたが、特に異常は認められず、原因がはっきりしない状態が続いていました。 このような症状では、まず医療機関で適切な診断を受けることが何より大切です。 そのうえで、今回は身体の機能的な側面から評価を行いました。 身体全体のつながりを評価する 触診を進めると、左肋骨角に複数の可動性低下が認められました。 さらに、左頸椎には連続した動きの制限があり、胸郭と頸部が互いに影響し合っている状態がうかがえました。 咳は呼吸器だけの問題として捉えられがちですが、呼吸運動や自律神経、筋膜の連続性も含めて身体全体を評価することが重要だと私は考えています。 最初に行った施術 まず左肋骨角を中心に胸郭の可動性を改善する施術を行いました。 その後、頸椎を再評価すると、それまで認められていた可動性の低下は改善していました。 施術中も患者様は空咳を繰り返していましたが、頸部の可動性が回復した

丸山稔一
7 日前読了時間: 3分


【症例016】10年間続く胸の激痛
― 治療家として学んだ“限界と役割” 先日、10年以上にわたり強い痛みに苦しんでいる女性が来院されました。 来院時、患者様は右胸の下を押さえながら、眉間に深いしわを寄せて入室されました。付き添いのご主人もご一緒です。 初回の問診では、これまで受診された病院、鍼灸院、整体院、漢方薬局、心療内科などの経過を詳細にまとめた資料を持参してくださいました。 「何とか原因を知りたい」 「なぜ痛み続けるのか知りたい」 そんな切実な思いが伝わってきました。 症状の特徴 患者様のお話では、痛みの中心は右胸郭の下部です。 その痛みは単なる局所の痛みではなく、 * 首から胸にかけての引きつれ * 呼吸時の違和感 * 顎周囲の緊張 * 全身の不快感 など、多くの症状を伴っていました。 各種検査では大きな異常は見つかっておらず、長年にわたり原因がはっきりしない状態が続いていました。 初回の評価 オステオパシーでは痛い場所だけを見ることはしません。 全身のつながりを評価しながら、身体全体のバランスを確認していきます。 検査の結果、 * 呼吸運動の左右差 * 頭蓋の微細な動き

丸山稔一
6月22日読了時間: 3分


【症例015】顔面神経麻痺とめまい
― 医療とオステオパシー、それぞれの役割を学んだ症例 ― 来院時の状態 ある日曜日、知人の方から急なご相談をいただきました。 症状は、 ・顔面神経麻痺・歩行時のふらつき・バランスが取りにくい・左耳周囲や首の違和感 でした。 すでに内科・耳鼻科を受診され、MRI検査も実施済みで、脳梗塞など緊急性の高い疾患は否定されていました。 来院時には左眼が十分に開かず、口元にも左右差がみられました。また歩行時の不安定さもあり、ご本人も大きな不安を抱えている様子でした。 初回の評価 まず全身の状態を丁寧に評価しました。 下肢の筋膜の緊張、呼吸の左右差、腹部の緊張、頭蓋や頸部の動きなどを確認したところ、 ・左下肢の緊張・上腹部の強い緊張・後頭部から頸椎周囲の制限・側頭骨周囲の緊張 などが認められました。 そこで、 ・後頭部と頸椎周囲の緊張緩和・頭蓋周囲の循環への配慮・横隔膜や自律神経系へのアプローチ・全身の緊張を和らげる施術 を中心に行いました。 施術後には、 ・左眼の開きの変化・歩行の安定感の向上・呼吸のしやすさ・表情や顔色の変化 などがみられました。 その後の

丸山稔一
6月19日読了時間: 3分


【症例011】三叉神経痛のその後
久しぶりの再会 以前、三叉神経痛で来院されていた患者様が久しぶりに来院されました。 きっかけは奥様からの勧めでした。 奥様は以前、止まらない咳と尿漏れのお悩みで来院された際、 「主人はその後、痛み止めを全く飲まなくなりました。本当に喜んでいます。」 と報告してくださいました。 私自身、この患者様の症例は非常に印象深く、多くの学びを与えていただいたケースでした。 そのため、 「お時間が取れたら一度お顔を見せてください」 とお伝えしていました。 今回、その約束を果たすように元気な姿を見せてくださいました。 現在の状態について お話を伺うと、 「前回の治療後から徐々に改善し、以前の生活に戻ることができました」 とのことでした。 また、痛み止めも飲まなくなり、日常生活に大きな支障なく過ごされているそうです。 ただ、最近の台風の時に左眼の奥が一瞬ピリッとした感覚があったとのこと。 強い痛みではなく、短時間で消失したそうですが、ご本人としては少し気になったようです。 三叉神経痛を経験された方にとっては、わずかな違和感でも不安につながることがあります。...

丸山稔一
6月10日読了時間: 3分


【症例010】膝の痛みの奥にあった身体の緊張
2回目の施術で見えてきた、身体が整っていく流れ 67歳女性の患者様。 左膝の内側の痛みを主訴に、遠方より来院されています。 初回の施術後、「かなり楽だった」とのお話をいただいていましたが、今回は2回目の施術です。 朝一番の予約時間。 患者様は前回よりも表情が明るく、元気な様子で入室されました。 「その後いかがでしたか?」と伺うと、 「膝はほとんど痛くなくなっていました。ただ、ここ2〜3日だけ少し気になりました」 とのこと。 さらに詳しくお聞きすると、痛む場所は初回に確認していた“あの一点”であり、痛みの程度もかなり軽減しているとのことでした。 こうした変化は、身体が少しずつ新しいバランスを覚え始めている時によく見られます。 また今回は、 * 左肘の軽い痛み * 不安が強い時の胸の違和感 についてもお話しくださいました。 ⸻ 身体は「部分」ではなく、全体でつながっている 視診では、初回に見られた僧帽筋の強い緊張がかなり改善していました。 また、円背気味だった背中も自然に起き上がり、身体全体の軸が整い始めている印象です。 ただし、立位の軸線はまだやや

丸山稔一
5月28日読了時間: 3分


【症例009】緑内障と側弯症
“目だけを見ない”というオステオパシーの視点 本日、緑内障でお悩みの患者様からお問い合わせをいただきました。 50代女性の方で、病院で継続的に治療を受けているものの、不安が続いているとのことでした。 お話を伺う中で、とても印象的だったのが、 「11歳の頃から突発性側弯症がある」という背景でした。 緑内障というと、“目の病気”という印象が強いかもしれません。 もちろん眼科での治療は非常に重要ですし、点眼や定期検査は欠かせません。 その上で、オステオパシーでは 「なぜ視神経に負担がかかりやすい状態になっているのか」 という身体全体のつながりを考えていきます。 特に今回のように、長年の側弯症がある場合は、 * 胸郭のねじれ * 横隔膜の左右差 * 頸部や頭蓋への緊張 * 静脈やリンパの循環 などが、長い年月をかけて身体に影響している可能性があります。 緑内障に対して、オステオパシーで「治る」と断定することはできません。 しかし、 * 呼吸のしやすさ * 頭頸部の循環 * 自律神経の緊張 * 視神経周囲への負担 こうした部分を丁寧に整えることで、...

丸山稔一
5月28日読了時間: 2分


【症例008】腰と肋骨の痛み
【総合診療医との交流】腰と肋骨周囲の痛みから見えた「全身のつながり」 一昨日、以前診させていただいた総合診療医の先生からお電話をいただきました。 「腰が痛くて、なんとか診てもらえませんか」 予約はすでに埋まっていましたが、以前、家内がお世話になった際にとても親切に対応してくださった先生でもありましたので、日曜日の夜に対応することにしました。 来院された先生は、少し眉間に皺を寄せ、とてもつらそうな表情をされていました。 お話を伺うと、約2ヶ月前から腰の上部から肋骨周囲にかけて、嫌な違和感と痛みが続いているとのことでした。 ご自身でもヨガなどを試されたそうですが、かえって悪化してしまったとのこと。 もちろん医療機関で検査も受けており、「特に異常はない」と言われていました。 ⸻ まず座った状態で身体を確認していくと、左側の脊柱周囲、特に腸肋筋の緊張が強く見られました。 さらに身体全体を評価していくと、 * 左脚の筋膜の緊張 * 横隔膜の硬さ * 左腎周囲の制限 * 左肋骨角の硬さ * 心膜周囲の緊張 * 頭蓋、特に左側頭骨・前頭骨の制限...

丸山稔一
5月28日読了時間: 3分


【症例006】横隔膜が入らない腰痛
腰痛の奥に見えた自律神経の緊張 本日は40代半ばの男性が来院されました。 主訴は腰痛。 その他にも、 * 時々起こる頭痛 * 頻尿 * 左足の第2・3趾の違和感 * 左手指の違和感 など、複数の症状を抱えておられました。 一見すると穏やかで、おっとりした印象の方です。 しかし身体を診ていくと、表面的な印象とは異なる「深い緊張」が見えてきました。 ⸻ まずは立位で全体を確認します。 水平面・冠状面では大きな崩れはありません。 前屈・後屈も年齢相応で、大きな可動域制限はみられませんでした。 仕事はデスクワーク中心とのことですが、一日中座り続けるわけではないようです。 その後、座位で脊柱を確認すると、腰椎L3〜L4周辺に問題を感じました。 さらに仰臥位で下肢の筋膜の緊張を確認すると、左側に強い抵抗感があります。 下肢を持ち上げ、身体全体のつながりを追っていくと、左胸郭付近に支点がある印象を受けました。 ⸻ ここから内臓や自律神経系の評価に入ります。 ところが、お腹全体が非常に硬い。 こちらの手が「入っていかない」感覚があります。 単なる筋肉の硬さという

丸山稔一
5月28日読了時間: 3分


【症例003】生理のたびの頭痛と嘔吐
骨盤と頭蓋のつながりを考えたオステオパシー治療 生理のたびに強い頭痛と嘔吐を繰り返してしまう――。 今回来院された女性患者様は、その辛さを静かに訴えておられました。 以前は、生理の時期になると寝込むことも多く、吐いてしまうほどの頭痛に悩まされていたそうです。 初回の問診では、とにかく「頭痛が辛い」という印象が強く、まずは頭蓋へのアプローチを中心に施術を行いました。 しかし、2回目の来院時にゆっくりお話を整理していくと、患者様ご自身が細かく記録を取っておられたこともあり、 * 生理前 * 生理後 * 排卵時期 など、女性ホルモンの変化に伴って頭痛が出ていることが見えてきました。 そこで、「頭だけの問題ではない」と考え、骨盤や仙骨、横隔膜なども含めた全身のつながりを確認していきました。 ⸻ 骨盤と頭痛の関係を考える 施術を続ける中で感じたのは、骨盤内の緊張と頭蓋の硬さが連動していることでした。 特に、 * 子宮周囲の膜の緊張 * 骨盤底の硬さ * 仙骨周囲の制限 * 横隔膜や右季肋部の硬さ などが見られました。 オステオパシーでは、身体はそれぞれ独立

丸山稔一
5月28日読了時間: 3分


【症例002】口の中の違和感
原因不明と言われた口の違和感と、不安感の変化について 長い間、口の中の違和感に悩まれていた患者様が来院されました。 病院でも検査を受けられていましたが、「特に異常は見当たりません」と言われ、不安な日々を過ごされていたそうです。 最初の頃は、 「このままずっと治らないのではないか」 という強い不安感も感じられていました。 しかし治療を重ねる中で、少しずつ身体の反応が変わっていきました。 今回で7回目の施術となります。 来院時、患者様は大きなマスク姿で元気に入室されました。 花粉症もあるようでしたが、以前のような疲れた表情はなく、目の輝きも落ち着いていました。 「かなり調子が良いです」 「仕事をしていても、以前のような疲労感がなくなりました」 そう話してくださいました。 口の中の違和感についても、 「100%ではないけれど、かなり楽になっています」 とのことでした。 ⸻ 施術前には、毎回必ず全身の状態を確認します。 視診では大きな乱れはありませんでしたが、触診を進めると、左上腹部から横隔膜周囲にわずかな緊張が残っていました。 また、 ・右側の横隔膜

丸山稔一
5月28日読了時間: 3分


【症例001】両手の指が握れない
神経症状と向き合った6回のオステオパシー治療 ある日、「両手の指が握れなくなってきた」という患者様が来院されました。 事前のメール相談では、 「手が握れない」という運動機能に関わる症状だったため、まず病院、とくに脳神経系の検査を受けるようお願いしました。 大学病院の総合診療科で血液検査などを受けたものの、明確な原因は分からず、 「病院では治療のしようがないと言われた」とのことで来院されました。 フランスで学んだ際、 「運動神経に関わる問題は、まず医療機関の責任範囲である」 と繰り返し教えられました。 そのため今回も、まず医療機関での評価を優先していただきました。 その上で、患者様が困っておられ、他に行き場がないという状況の中で、 身体全体を丁寧に診させていただくことにしました。 ⸻ 初回の印象は、身体だけでなく表情にも強い緊張感がある状態でした。 検査を進めていくと、 ・頚椎右側の連続した硬さ ・右胸郭前面の制限 ・右鎖骨周囲の可動性低下 ・頭蓋の緊張 ・腹部、内臓の硬さ などが見られました。 特に印象的だったのは、 頭蓋から頚部にかけての硬膜系

丸山稔一
5月28日読了時間: 3分
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