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[症例006]「横隔膜がまったく入らない」腰痛の奥に見えた自律神経の緊張

  • 執筆者の写真: 丸山稔一
    丸山稔一
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

本日は40代半ばの男性が来院されました。


主訴は腰痛。

その他にも、


* 時々起こる頭痛

* 頻尿

* 左足の第2・3趾の違和感

* 左手指の違和感


など、複数の症状を抱えておられました。


一見すると穏やかで、おっとりした印象の方です。

しかし身体を診ていくと、表面的な印象とは異なる「深い緊張」が見えてきました。



まずは立位で全体を確認します。


水平面・冠状面では大きな崩れはありません。

前屈・後屈も年齢相応で、大きな可動域制限はみられませんでした。


仕事はデスクワーク中心とのことですが、一日中座り続けるわけではないようです。


その後、座位で脊柱を確認すると、腰椎L3〜L4周辺に問題を感じました。


さらに仰臥位で下肢の筋膜の緊張を確認すると、左側に強い抵抗感があります。


下肢を持ち上げ、身体全体のつながりを追っていくと、左胸郭付近に支点がある印象を受けました。



ここから内臓や自律神経系の評価に入ります。


ところが、お腹全体が非常に硬い。


こちらの手が「入っていかない」感覚があります。


単なる筋肉の硬さというより、身体が防御しているような印象です。


胸郭左側にもわずかな硬さ。

横隔膜周囲を評価しようとしても、まったく侵入できません。


まるで身体がそこを守っているようでした。


一方で、頸部内臓腔や頭蓋のリズム(OCR)は比較的穏やかです。

しかし硬膜のテンションを確認すると左側に緊張があり、左前頭骨にも制限を感じました。



施術では、まず末梢神経への影響を考え、L3〜L4周辺の調整から開始しました。


多少刺激のある施術になるため、先に済ませます。


その後、


* 左胸郭

* 後頭下筋群

* 静脈洞テクニック

* 左側頭骨

* 左前頭骨


などを丁寧に調整していくと、徐々に中下腹部の柔らかさが戻ってきました。


ただし、横隔膜周囲だけは依然として非常に硬い状態です。


最後に太陽神経叢や胸郭出口周囲を調整して施術を終了しました。



印象的だったのは、胸郭出口を施術している際に感じた「呼吸の振幅の弱さ」です。


今回のケースでは、


* 頭痛

* 頻尿

* 腹部の防御的緊張

* 横隔膜の強い硬さ


などから、自律神経系の関与が強く疑われました。


施術後、座位から立位になった際の違和感はかなり軽減。

しかし完全ではありません。


再度腰椎を調整するとさらに改善しましたが、「今日はここまでが適切」と判断し終了しました。



今回改めて感じたのは、


「硬い場所を無理に緩めようとしてはいけない」


ということです。


特に横隔膜は、単なる呼吸筋ではありません。


呼吸、自律神経、内臓、感情的ストレスなど、多くの要素と深く関わっています。


無理に侵入しようとすると、かえって身体は閉じてしまうことがあります。


身体が許してくれる順番を待ちながら、周囲から整えていく。


その積み重ねが大切なのだと思います。


患者様一人ひとりの身体は、毎回多くの学びを与えてくれます。


今回も非常に考えさせられる症例でした。

 
 
 

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