top of page

[症例005]【足首の違和感】の原因は足ではなかった。頭部から始まっていた身体の連鎖

  • 執筆者の写真: 丸山稔一
    丸山稔一
  • 1 日前
  • 読了時間: 2分

先日、40代後半の男性患者様が来院されました。

日本史の研究をされている、とても知的で穏やかな方です。


この患者様は3年前、右側の首と頭の境目の痛みを主訴に来院され、その後も定期的にメンテナンスで通われています。


今回の主訴は、


「右足首を回すと違和感がある」


というものでした。


実は以前にも同じ症状があり、その時は足部周囲の機能障害を調整することで改善していました。

しかし今回は、


「前回良くなったが、数日後にまた戻ってしまった」


とのこと。


この“戻る”という現象は、臨床ではとても重要です。


身体は時に、

「そこは本当の原因ではありませんよ」

と教えてくれることがあります。


そこで今回は、より慎重に全身を評価していきました。


視診では、上腹部がやや前に出ている印象がありました。

さらに検査を進めると、


* 右膝の押圧時の抵抗感

* 右大腿部のわずかな筋膜の硬さ

* 回盲部や右結腸周辺の緊張

* 右胸郭と肋軟骨の硬さ

* 右頚椎の機能障害


などが見えてきました。


興味深かったのは、症状がすべて「右側」で連続していたことです。


さらに頭頚部の境目を評価すると、右側に強い抵抗感が残ります。


患者様に立膝になっていただいて再検査しても、その抵抗は変わりませんでした。


この時点で、


「下半身由来ではなく、頭側からの緊張ではないか」


という仮説が強くなりました。


頭蓋を細かく検査すると、


* 前頭骨と篩骨の縫合部(右)

* 右側頭骨


に明らかな機能障害が見られました。


今回は、ここを中心に頭部からの緊張を解放するよう施術を行いました。


すると、


* 頚部の緊張

* 胸郭の硬さ

* 腹部の抵抗感

* 大腿部の筋膜の硬さ

* 膝の押圧時の違和感


が連動するように改善していきました。


最終的には、足首の違和感もかなり軽減していました。


今回は足首自体には、ほとんど直接的な施術をしていません。


改めて感じたのは、


「症状が出ている場所」と

「本当の原因」が一致するとは限らない


ということです。


身体は一つにつながっています。


局所だけを見るのではなく、全体の連鎖を丁寧に追っていくことで、初めて見えてくるものがあります。


患者様の身体から、今回も多くを学ばせていただきました。


次回は年明けに経過を確認予定です。

身体がどのように変化していくのか、引き続き丁寧に追っていきたいと思います。

 
 
 

最新記事

すべて表示
[症例010]【膝の痛みの奥にあった“身体の緊張”】2回目の施術で見えてきた、身体が整っていく流れ

67歳女性の患者様。 左膝の内側の痛みを主訴に、遠方より来院されています。 初回の施術後、「かなり楽だった」とのお話をいただいていましたが、今回は2回目の施術です。 朝一番の予約時間。 患者様は前回よりも表情が明るく、元気な様子で入室されました。 「その後いかがでしたか?」と伺うと、 「膝はほとんど痛くなくなっていました。ただ、ここ2〜3日だけ少し気になりました」 とのこと。 さらに詳しくお聞きす

 
 
 
[症例009]【緑内障と側弯症】“目だけを見ない”というオステオパシーの視点

本日、緑内障でお悩みの患者様からお問い合わせをいただきました。 50代女性の方で、病院で継続的に治療を受けているものの、不安が続いているとのことでした。 お話を伺う中で、とても印象的だったのが、 「11歳の頃から突発性側弯症がある」という背景でした。 緑内障というと、“目の病気”という印象が強いかもしれません。 もちろん眼科での治療は非常に重要ですし、点眼や定期検査は欠かせません。 その上で、オス

 
 
 
[症例008]【総合診療医との交流】腰と肋骨周囲の痛みから見えた「全身のつながり」

一昨日、以前診させていただいた総合診療医の先生からお電話をいただきました。 「腰が痛くて、なんとか診てもらえませんか」 予約はすでに埋まっていましたが、以前、家内がお世話になった際にとても親切に対応してくださった先生でもありましたので、日曜日の夜に対応することにしました。 来院された先生は、少し眉間に皺を寄せ、とてもつらそうな表情をされていました。 お話を伺うと、約2ヶ月前から腰の上部から肋骨周囲

 
 
 

コメント


2026_05_22_ご予約・お問い合わせはこちらから.png
bottom of page